小説
翌日、騎士――青いマントの若者は酒場に現れませんでした。 彼は森の入り口近くで体をずたずたに引き裂かれて見つかりました。獣がいたことは間違いないあの場所で、己の身分を明かしたのです。覚悟の上であったことでしょう。3人は彼の亡骸を埋めると、酒場…
最初に唇を開いたのは、狼の噂が囁かれるようになったころ街にやってきた、異国風の緑の衣装の男でした。彼が喋ると、微かに国境の向こうの異国の音律が混ざるのがわかりました。「……実際、誰が何者なのか、ここで告げてもらったほうがいいんだろうか」 それ…
所属していたオンラインコミュニティ内で行われた『人狼』を見学し、プレイの流れに沿って書いた小説形式のリプレイです。 *** わたしにはかつて、名前がありませんでした。 わたしはことばを話すことができません。わたしが生まれた町では、ことばを話せ…