かくりよ書房夜明け分館

服飾、文芸ほか雑記

度忘れは突然に~iPhoneのパスコードを記憶からぶっ飛ばした話~

 

 父が
「毎日入力してたはずの職場のPCのアカウント名を忘れたんだよ……」
と意気消沈していたのがつい先日のこと。
「ボケかなあ」
「いや……若くてもあると思うよ……あんま気にしない方がいいよ……」
とフォローを入れた私は、そのフォローが今日という日の伏線になることを、当たり前だけれど知りませんでした。

 

 スマホ依存の気があり、せめて寝る前1時間くらいはまったく画面を見ないようにしたいと思っていました。そんな折に、「就寝1時間半前になったらスマホタブレットとパソコンの電源を切る」という話を聞き、よしやってみよう、と手持ちすべてのデバイスの電源を落としたのが昨日の20時半ごろ。
 そして今朝。目覚ましアプリがなくても意外と起きられるな~明日からもこうしようかな~とルンルンしつつiPhoneの電源を入れて、気づいたことがひとつ。

 4桁のパスコードが記憶から綺麗に消えている。

 えっ、うそでしょ、昨日も私指紋認証がはじかれたとき入力してたぞ、もう数字じゃなくて指の動きで記憶してるレベルだったぞ、とドキドキしながら再入力。弾かれる。あの数字じゃないなら次はこれ。弾かれる。ぬるすぎるから入れてなかった自分の生年月日も推しの誕生日も弾かれる。

 ロックがかかる。

 死を感じる。

 これは……初期化しかないな……と思いつつやり方を調べます。なるほど、iPhoneを探す機能を使えば無くしたり落としたり盗まれたりしたデバイスは初期化ができるのか。うんうん、さすがデジタル最盛期、当然そういうこともあるよね、と思いつつ言われた通り「iPhoneを消去する」をクリック。

「2段階認証 デバイスに送信された認証番号を入力してください」の文字が画面に表示される。

 横のiPhoneを見る。

 パスコードを忘れてロックがかかっているので、当然ロックを外した画面で見られる番号は確認できない。
 次に起動できるのは1時間後である。
 1時間後もう一度挑んでもたぶんコードは思い出せないと思う。

 死を感じる。

 というか、今回たまたまiPhone私の手元にあるからいいけど、盗難紛失でなくしたデバイスのデータを消すための認証番号がなくしたデバイスに届いたらどうしようもないのでは?

 

 泣きながら別の方法を探します。
 リカバリモードで工場出荷の状態に戻して、iCloudでデータを復旧してね、という話に当たる。うちのiPhoneは5sなので、ドキドキしつつホームボタン長押し→iTunesに繋ぐとリカバリモードに。なお、iTunesは今回このためだけにインストールしました。挙動がもっさりしてて嫌なんだもん……プレイリストの作りやすさは魅力だけど……。

 そして満を持して再起動、新しい6桁のパスコードも設定、元のデータもおよそ同期出来たしあとはApple IDのアカウントをどうにかするだけだ、と設定ボタンを押す。

 

「現在のままでは暗号化されたデータへのアクセスができません。データは古いパスコードで保護されています。パスコードを入力してください」

 

 だから!!!! 

 忘れたって!!!!!! 

 言ってるでしょ!!!!!!!!!
(ものすごく理不尽な逆切れであることは承知しています)

 

 結局ここでも総当たりは利かず間違い回数の上限を超えたために本格的にロックがかかり、暗号化されたデータとやらをすべて消去する選択をしたところ、普通~~~にiPhoneの利用は再開できました。電話帳もアプリも特に消えてない。今までwebフォームで入力したりしたIDとかパスワードの記録が消えただけみたい。ものものしいエラーだったのでビビりながら消しましたが……なんだ……。

 

 自分の記憶の当てにならなさをしみじみ噛みしめ、脱出ゲームのようにパスコードを書いた紙を部屋のどこかにしのばせよう、と固く誓う日曜日の正午です。よい連休をお過ごしください。パスコード忘れにはくれぐれもご注意を(家のロックとか銀行の暗証番号じゃなくてよかった……マジで……)。