かくりよ書房夜明け分館

服飾、文芸ほか雑記

ドポンコツワンウィーク

 起きてびっくりした。頭が軽かったのだった。

 

 かれこれ1週間くらい、用事のない日中はほぼ眠って過ごすようにしていた。ずっと頭は重いし目の奥が痛いしなんとなく目の前に灰色の霧がかかったような状態だった。画面を見すぎてるのかな、と思ってパソコンを触る時間を減らしてみたり、貧血かな、もしかして肉が足りてない? と思ってほったらかしだった鉄のサプリを飲んでみたり赤身の肉を焼いて食べてみたり、運動不足かな、と思って筋トレやらタバタ式トレーニングやらで汗を流してみたりしても、灰色の霧はどこにもいかなかった。作業に触ってない後ろめたさゆえかな、と思ってタスクに手を付けても5分経たずにものすごいだるさで投げ出してしまう。

 頭を逆さに振ってもやる気が出ない状態で、請け負った仕事や自分の勉強の一切にまるで手が付かない。ずるずると眠りながら、もしかして私は一生このままなのでは? とちょっとだけ怯え、怯えきる前に睡魔に殴り倒されて意識を失くし、またずるずると起き上がって仕事に行くことを繰り返した。前職を退職してから小さな私塾で講師のバイトを続けているのだけれど、外に出て誰かと喋るきっかけを短時間でも作っていてよかったと思った。教え子ちゃんや同僚の先生たちと話していると多少は灰色の霧が薄くなる。

 

 昨日はここ数日で一番気圧の低下が激しい日だ、という話は聞いており、起きたら灰色の霧はほとんど黒色の煙になっていた。海底にある火山から無限に噴き出す靄を思い出した。たまたま仕事が一つもない日だったので、起き上がるのをほぼ諦めた私は自分に問うた。

 何ならできそう?/わからない

 本は読める?/無理だと思う

 映画は?/ちょっとしんどいかな

 スマホ用に配信されてるライトな怖いゲームやる?/それだ

 

 ということで2本くらい立て続けにクリアした。一人でひいひい言いながら画面を触って謎解きをしている間は、動けない苛立ちや不安をとりあえず忘れていた。2本目をクリアしてしばらく眠り、起き上がって家事をして夕食を取ってまた眠り、翌朝。

 

 目の前にはもう、黒色の煙も灰色の霧もなかった。現在いる地点での気圧をグラフで出してくれるアプリの画面は「警戒」の赤黒いゾーンを脱したことを表示していた。私は動けるようになり、あの頭の重さと灰色の霧はなんとかやりすごせば動けるようになることを後の自分に伝えるためにここでキーボードを叩いている。

 気圧の動きは出来るだけ前もって知っておいて、締め切りのある仕事なんかはできるだけ余裕をもって行動すること。あまり無理せず寝られるなら寝た方がいい。人前に出ると動けるけどゾンビのような状態なので無理しないこと。その状態は一生続くわけではない。一番現実逃避できるのはホラーコンテンツなので、避難先は怖い映画、漫画、ゲーム。

 

 梅雨がくるのでね。死なないようにがんばりましょう。

 

 ちなみに遊んだゲームはこの2本でした。お化けも怖いし人間も怖いし周回要素もあって楽しかった。推しです。2本目はとくにハリウッドホラーみがあって謎解きも凝っており好きなテイストでした。

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脱出ゲーム  悪夢レストラン

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