かくりよ書房夜明け分館

服飾、文芸ほか雑記

つかれたらこれを読もう webメディア編

 おはようございます。そういえば十一月って三十日までしかないんだった。師走はいつだって猛ダッシュでやってくる。みなさまいかがお過ごしですか。

 何もかも嫌になってしまった時に触りに行くと元気が出る(当社比)ものを、web上の媒体に限って抜き書きします。死にかけたらこのページに来れば全部触れるから大変便利だ。増えたり減ったりするかもしれません。

 

anond.hatelabo.jp

 家庭崩壊高校中退→家を出たが諸々で借金が膨らむ→夜逃げしてホームレス→プログラマー→アジア放浪→ホームレス→プログラマー、というすさまじい経歴を辿る誰かの匿名の日記。凄惨としか言えない状況も淡々とした筆致で読ませてくるのですごい。底の底まで落ちてもやれることはある、たくさん本を読もう、と思えるので好き。八方ふさがりになっても他責しない(なおかつ責めた相手に自分の堕落について責任を負わせようとしない)というのがスタンスとして貫かれていて、だから嫌な感じがしないのかもしれない。おそらくこの方が書いたと思われる電子書籍、『ハッピーエンドは欲しくない』(この日記の前日譚にあたる)もお値段500円なんて足りないよもっと払わせてくれという内容だった。Kindle Unlimitedだと無料です。ぜひ。

 

138.omaww.net

 夫の実家はとにかく大きく、モノを溜め込むタイプの汚屋敷。夫に義理の両親が買い与えた百科事典(夫は不要だと言っている)を捨てたところお姑さんに激しく叱責され……から始まる、あるお家の再生復活の話。家を守ることに一生懸命なお姑さん、不登校になってしまった娘さんにも真摯に向き合い、受け止めながら、膨大な量のガラクタを片付けていく相談者さんの姿勢に救われた気持ちになります。片付けの規模がデカすぎて読んでるとすっきりする。モノが減って家の空気が澄んでいくと相談者さんの家族の関係にも変化が表れてくるのもすごいです。ドラマ化してほしい。部屋、掃除しよう。

 

cocoloni.jp

 一昨年秋、四十歳の若さで亡くなってしまったコラムニスト、雨宮まみさんの人生相談コーナー。ぐるぐるに絡まってしまいどこにも吐き出せなくなってしまったものたち、自分にも周囲にも責められてどうしようもなくなってしまった胸の中身を、同じ目線でしゃがみ込みながら(そして美味しくてお洒落な一杯を差し出しながら)聞いて、解いていく姿勢がものすごく好きでした。自分で自分に優しい言葉をかけられないときにここを開くと、八方ふさがりに光が差してくる感じがして安心します。『まじめに生きるって損ですか?』のタイトルで書籍化もしている。

 

youtu.be

 『びじゅチューン!』で人気のアニメーター、井上涼さんによるプロジェクションマッピング作品。しがないOLマチルダ先輩のアンラッキーとアンラッキーをぶん殴りに行く歌で構成。私は「自分を雑に扱ってくる人間に対して怒れない」タチだったのですが、嫌味な課長に一歩踏み出しつつキレるマチルダ先輩を見て以来「何さ! あんな言い方しなくても!!」がきちんとできるようになりました。そのまま歌ってしまうと晴れる気もある。ありがとうマチルダ先輩。続編も素敵です。